Designer's Corner

ポップアートでインテリアをパワーアップ

「“ポップ”とはつまりコントラスト。驚きを与え、強烈な個性を創りあげることに他ならないのです」

by Jennifer Tzeses 201985

グラフィカルでエッジの効いた家具に、コバルトブルーとイエローというコントラストの強いカラースキームを使ってポップアートの雰囲気にデザインされたリビングルーム。マイアミのサンチェス・アンド・コールマンスタジオのクリストファー・コールマン氏のデザイン。PHOTO: KEN HAYDEN

「Mansion Global」では毎週、世界各国で高級不動産物件を手掛けているトップデザイナーを招いて1つのトピックを掘り下げていく。今週はポップアートにインスパイアされたインテリアデザインにフォーカスした。

鮮やかな色彩、グラフィカルなイメージ、そして驚きの要素。ポップアートはどこに飾っても強烈な存在感を放つアイテムとなる。シンプルに壁に絵を掛けるだけでも十分なインパクトを与えることができるが、インテリア全体の雰囲気を決定づける要素としてポップアートを効果的に使えば、あなたの家のインテリアをレベルアップすることができる。

「ポップアートにインスパイアされた空間は高揚感を与えてくれます。気の置けない友人と寛いで楽しむための居心地の良い部屋を作るのに役立ちます」と語るのは米フロリダ州マイアミにあるサンチェス・アンド・コールマン・スタジオでデザイナーを務めるクリストファー・コールマン氏。「皮肉や戯れが素晴らしいユーモアによって表現されているのがポップです」。

マンハッタンにある「フォーン・ガリ・インテリア・デザイン」代表のフォーン・ガリ氏は、ポップアートで活気と刺激をインテリアに演出することができるという。「控えめなインテリアでも、ポップアートをアクセントとして用いることで、部屋全体の雰囲気を盛り上げ、親近感のあるインテリアにすることができます」。

デザインのプロのアドバイスに耳を傾ければ、ポップアートを上手に自宅のインテリアに取り入れるアイデアが見つかるだろう。

アートを越えて広がる色彩

マンハッタンのフォーン・ガリ・インテリア・デザイン代表、フォーン・ガリ氏自らがデザインしたベッドルームは、マリリン・モンローのポップアート作品の色をピックアップし、モノトーンをベースにしたコーディネートにカラフルなベッドスローが映えるインテリアを実現している。PHOTO: JONNY VALLIANT

フォーン・ガリ・インテリア・デザイン代表のフォーン・ガリ氏はこう述べている。

「ポップアート・スタイルを完成させるコツは、鮮やかな色彩とモノクロの要素を意外な方法で融合した、コントラストの強いカラースキームを使うこと。現代的なポップカルチャーやメディアをベースに、伝統芸術の価値観に対する批判や風刺を描き出すスタイルです。ポップアートは空間に彩りをプラスしつつ、社会的な意識の高さを表現するのに最適です」

「ポップアートの作品を部屋に飾るなら、部屋の雰囲気に調和するものではなく、お互いを引き立て合うものを選びましょう。絵画に使われている色彩を意図的にインテリアに使用する一方で、対照的な要素を放り込むことにより、ますます個性的で重層的な空間を生み出すことができます。インテリアに合わせた絵ではなく、場の雰囲気を演出するものを選ぶことが重要です」

「実際にポップアートの作品を飾らなくても、カラーブロックを使うことでポップな雰囲気を出すこともできます。ポップアートは批判的にも、その時代の文化に対する皮肉にもなり得ます。ですから、異なるスタイルを対比させ、両極端なものを並べて配置することで、ポップのエネルギーが生まれるのです。例えば違うテイストの家具を並べることによって、アイロニーを表現することも一つの方法です」

「自宅は、一つの物語を語る、まとまりのある空間に感じられなければなりません。その中でスタイルや色、パターンなどをミックスすることができるのです」

ポップとはすなわちコントラスト

マイアミのサンチェス・アンド・コールマンスタジオのクリストファー・コールマン氏がデザインしたダイニングルームは、ポップな色使いと遊び心のあるアクセントが一つになって壁に飾ったポップアートの世界観を反映している。PHOTO: KEN HAYDEN

マイアミにあるサンチェス・アンド・コールマン・スタジオのデザイナー、クリストファー・コールマン氏はこう語る。

「ポップアートは若々しいエネルギーが宿る斬新なスタイル。鮮やかで大胆な色、グラフィカルなデザインやオプティカル柄を特徴とするレトロモダンな家具を思い浮かべてください。このルックに合う素材といえば、グロッシーな表情をもつプラスティック、アクリル樹脂、そしてメタルです。もちろん、抽象的な模様や個性的なソリッドカラー、幾何学柄も使えます。色と色が反発し合っているような印象的な柄のラグや、視覚トリックを利用した壁紙、ネオンカラーや原色の大規模な壁画や絵を選ぶとよいでしょう」

「絵画に使われている色からもっとも鮮やかなものを幾つか選び、各色の生地を使った家具を一点ずつ用いることもお勧めです。大事なのは、色を合わせないこと。ポップとはすなわちコントラストです。どれだけ強烈な驚きを与えられるか、自己主張できるかが決め手になります」

「自分がこれでいいと思う常識の範囲から飛び出してください。黄色やオレンジといったポップな色を使うのは天井に限定する。ラグは床を鮮やかな柄で彩り、思いがけない場所にアートを発見する驚きを付け加え、生き生きとした場を演出します」

「曲線を使ったオーガニックなデザインの家具、1950年代~1960年代の未来的でクールなレトロフューチャーな椅子なども、その場の会話を盛り上げるアイテムになります(イタリアの老舗家具ブランド「Kartell」はクールな色のプラスティックチェアを出しています)」

「壁面に驚きの要素を取り入れるなら、リビングルームのソファの後ろをフィーチャーウォールにするのも良いでしょう。ベッドの後ろに派手な壁画を配置すれば、ベッドルームの雰囲気が盛り上がります(「Flavor Paper」の壁紙は私のお気に入りの一つです)。ポップアート・スタイルのインテリアのアクセントとなるアイテムを探しているなら、ソーホー地区にある「MoMAストア」やマイアミの「ウルフソニアン美術館」などのミュージアムショップに行けば間違いありません」

予想外の要素を取り入れる

幾何学柄のラグと彫刻的なチェアが、壁面の作品のグラフィカルな作風にマッチしている。インテリアデザインは、ニューヨークのミシェル・ガーソン・インテリアズのミシェル・ガーソン氏。PHOTO: PATRICK CLINE

ニューヨークにあるミシェル・ガーソン・インテリアズのミシェル・ガーソン氏はこうアドバイスする。

「壁にかけられた良い芸術作品は空間をより完成された姿に変えることができます。どんなに素敵な家でも、この力を持った作品がなければ、何かが欠けているように見えてしまいます」

「こうすれば良いという決まったルールはありません。作品はその空間に住む人のため、その人が見て楽しむためにあるのです。芸術作品を部屋に飾るのは、見る度に感情を揺さぶられたり、何かを思い出させてくれるたり、あるいは、ただ見ることで喜びを与えてくれたりするものだからです」

「例えばレゴとか、メディアをミックスした作品など、予想外の素材を使い、現代的な視点からアートを解釈した新しいものならなんでも、ポップアートのインテリアとして使えると思います。レイヤー・ケイク・ステュディオズのシーン・サリヴァンが描くおしゃれなグラフィティはこの好例で、彼の壁画は空間全体の雰囲気を決めたり、完成させることができます。ポップアートは部屋の印象をがらりと変えるだけでなく、インテリアに色を取り入れるにも素晴らしい要素です」

「ポップアートの作品を所有していなくても、鮮明な色やクールな柄のクッションなどであれば気軽にインテリアに取り入れられます。また、綺麗でカラフルな花を生けた花瓶を置くだけで空間が華やぎ、フレッシュな印象になります。色とりどりの本、あるいは鮮やかな色を1つ選んで色彩を統一した本を積み重ねるのも効果的です。ベッドカバーの上に置くベッドスローやしっかり自己主張するデザインのラグ、原色のろうそく一本でも、ポップアートのようなルックスを表現することができます」