Interview

元ラグビーニュージーランド代表、ダン・カーター選手が日本のお気に入りスポットセレクト

by Nina Oiki 20191011

神戸・三宮。

元ニュージーランド代表の司令塔、ダン・カーター氏。PHOTO: NINA OIKI

2019年は、アジアで初となるラグビーW杯が日本で開催中の「ワールドカップイヤー」。そのラグビー界で最も有名かつ群を抜く実績を誇り、また誰より“謙虚”なスーパースターとして知られるのが、元ニュージーランド代表の司令塔、ダン・カーター選手だ。

カーター氏は、2018シーズンより日本のトップリーグ、神戸製鋼コベルコスティーラーズに所属。加入1年目から神戸製鋼コベルコスティーラーズを18季ぶりの優勝に導いた実績を持つ。テストマッチ歴代最多得点記録を保持し、ラグビー史において「史上最高の司令塔」と称される今も、居残り練習でキックに磨きをかけ、誰にでも気軽に声をかける謙虚で素朴な人柄は、周囲から尊敬を集めている。またラグビープレイヤーとしてだけでなく、「ルイ・ヴィトン」のアンバサダーを務めるなどセレブな一面も併せもつ親日家のカーター氏に、ラグビーW杯観戦といっしょに訪れたい、日本のお気に入りスポットをセレクトしてもらった。

1 神戸・三宮

もちろん一番は私が住んでいる神戸です。なかでも三宮は本当に魅力的な街です。通りかかる人々は皆フレンドリーに接してくれ、街全体の雰囲気はゆったりと、リラックスしている。三宮の坂道は、歩いているだけで気持ちが良く綺麗で清潔です。美味しい店もたくさん並び、何度行っても飽きない場所です。

神戸には海や山、丘もあり、街の広さは丁度良い。ワールドカップの試合会場であるノエビアスタジアム神戸までは新幹線や空港からのアクセスも非常に良いため、日帰りでも十分楽しむことができます。三宮には、私がいつも日本に戻って最初の食事に必ず訪れる寿司屋があります。そして魚だけでなく、世界的に有名な「神戸牛」は三宮へ来たら必ず一度は食べて欲しい。神戸牛は、鉄板焼きや焼肉ではなく、ステーキで食べるのが個人的には一番美味しいと思います。

2 京都 ・伏見稲荷神社

そして京都です。隣接する神戸や大阪でワールドカップを観戦したら、電車に小一時間ほど揺られて京都へ行くことをお薦めします。古き良き日本を感じられ、伝統的な建物や神社に囲まれた街は、全体が魔法にかかったかのような、マジカルな雰囲気に包まれています。

ワールドカップの試合を観るだけでなく、少し足を伸ばして京都を訪れれば、観光という枠を超えた日本の伝統的な美しさそのものに触れることができます。なかでも金閣寺と伏見稲荷大社はとても印象に残っています。吸い込まれてしまいそうな伏見稲荷大社の鳥居の道は、神秘的な空気に包まれ、非日常的かつ魅力的です。インスタ映えする写真もたくさん撮れますよ!

3 大阪 ・道頓堀

大阪は、食べ物が本当に美味しい! 大阪は「くいだおれ」の街、食の街とよく言われますが、大阪のワールドカップの試合会場である花園ラグビー場から駅へ向かう通りには、地元の方々が集う小さい居酒屋やお好み焼き屋がたくさんあって、食べ歩きも楽しめます。

私はたこ焼きが大阪フードの中で一番好きです。花園から電車を乗り継ぎ、大阪ミナミに位置するなんば駅で下車、そこから歩いてすぐの道頓堀橋の近くには、テイクアウトの小さなお店やレストランがたくさんありますが、なかでもたこ焼き屋さんは一番のお薦めです。私が住んでいる神戸と大阪は電車で30分ほどと近く、アクセスが良いので大阪は良く行きますが、道頓堀での食べ歩きも私の大阪の楽しみ方の一つです。

4 東京・表参道

私にとって東京は世界一「クレイジー」な街です。特に夜になると、昼間のオフィス街とは全く姿を変え、一気にナイトライフの顔を見せる。東京へ行くと、そんなクレイジーな街の様相、そして行き交う人々から、いつもものすごいエネルギーを感じます。

そして東京は買い物をするのにベストな街だと思います。東京へ行けば必ずどんな物でも手に入る。そのくらい安全で便利で、整った大都会です。私が東京で一番好きな場所は原宿、青山、表参道エリアです。青山の骨董通りや原宿の裏通りなどへ入ると、たくさんのセレクトショップが並んでいます。ヴィンテージの時計や服など、珍しいものを置いている店も数多くあります。東京では府中市の味の素スタジアムでワールドカップの試合が開催されますが、電車が直通する新宿駅付近、なかでも西新宿エリアには、便利でサービスの良いハイクラスなホテルが多くあります。

5 北海道 ・札幌、網走

最後は北海道、なかでも札幌と網走です。私は元々カントリーボーイとして育ったので、都会から少し離れてゆっくりしたい時には、北海道へ行きます。あまり知られていませんが、北海道には世代を超えた根強いラグビー文化が残っており、現地の人々はラグビーを心から愛しています。

札幌で食べる新鮮な蟹などのシーフードは、どの国で食べたものよりも美味しかった。そして野菜です。私は身体づくりのためにできるだけ新鮮で季節に合った野菜や果物を食べるようにしていますが、札幌で食べる地元野菜は本当に新鮮で感動しました。神戸製鋼のチームの合宿では、網走へ行きましたが、網走で食べた寿司も、どこで食べた寿司よりも美味しいものでした。チームでサーモンを何貫食べたか覚えていません! 札幌もワールドカップの試合会場の一つとなっています。ぜひとも北海道の食文化を楽しみに訪れてみてください。

私はラグビーの試合と同じくらい、訪れた様々な国を旅して周ることに、多くの時間を費やしてきました。私自身、何度も苦難や試練を経験しています。

最も困難な試練の一つは、2011年に母国ニュージーランドで開催されたワールドカップの大会期間中の練習で負傷し、最後まで試合に出ることが叶わなかったことです。その時は、次の2015年大会の優勝に自分が貢献できるとは、すぐには想像できませんでした。

しかし、2015年の結果があるのは、2014年、精神的にも肉体的にもリフレッシュが必要と感じ、旅をするために思い切ってとった長期休暇のおかげです。この長期休暇が、翌年私を再生してくれました。その経験以来、私は若手選手にも効果的なオフのとり方をすすめています。

休暇をとり、旅に出ることで、悩みから自由になり、再生へとつながる。日本で一生に一度の機会と言われるラグビーW杯期間中に、まだ知らない日本の素晴らしい場所を訪れてみてください。