Interview

最強のスポーツイヤー到来。2020年は「カラダ作り」が幸運を招く!

日本のプロアメリカンフットボール界で活躍する サマジェ・グラント選手に、健康でハッピーなカラダ作りの魅力とアドバイスを教えてもらった。

by Nina Oiki 2020325

PHOTO: ©FUJITSU SPORTS/NANO ASSOCIATION

空前のフィットネスブームに湧く日本。そこで今号では、奇想天外なプレーで日本のプロアメリカンフットボール界を盛り上げる、富士通フロンティアーズ所属で、2019シーズンに「ジャパンXリーグ」でMVP&ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したサマジェ・グラント選手に、健康でハッピーなカラダ作りの魅力とアドバイスを教えてもらった。

スポーツ大国・アメリカでは、「スーパーボウル・サンデー」と呼ばれる2月の第1日曜日に、アメリカンフットボールの頂上決戦「スーパーボウル」が開催され、その経済効果はオリンピックやFIFAワールドカップを凌ぐともいわれている。一方日本国内では、年の瀬に社会人リーグ「Xリーグ」の決勝戦が東京ドームで開催され、大盛り上がりをみせる。昨年末に開催された、第33回アメリカンフットボール日本社会人選手権「JAPAN X BOWL XXXIII」では、会場の東京ドームに約2万人の観衆を集め、サマジェ・グラント選手所属の富士通フロンティアーズが、4年連続5度目の日本一に輝いた。

本場アメリカ仕込みの華やかなプレーで、2019年度ジャパンXリーグMVP、Xリーグ・ルーキー・オブ・ザ・イヤー、XボウルMVPなど数々のタイトルを総なめにしたグラント選手。ディフェンスを惑わす巧みな走りと、高いジャンプ力で相手選手を翻弄する姿はまるで“忍者”のようと評される。そのグラント選手に、理想のカラダ作りとは?

PHOTO: ©FUJITSU SPORTS/NANO ASSOCIATION

1 ワークアウト

僕は、自分の限界を超えていくのが好き。自分が限界を感じる時、例えばこれ以上走れないとか、筋トレできないと感じる時、カラダはまだその40%程度しか能力を発揮していないというリサーチ結果が出ているんです。残りの60%は、自分自身のメンタルとの戦いです。だからトレーニングする時には、常に高い目標を設定します。軽いウォームアップから始めて、少しずつ体を動かしやすくして強化する。僕は自分に合ったトレーニングメニューを考案して、下半身、特に脚を中心に毎日トレーニングします。今年はもっと柔軟性を身につけたいので、ストレッチメニューを増やしたいと思います。積極的にストレッチを筋トレメニューに取り入れる。忘れてしまいがちですが、カラダの柔軟性をつけることは怪我を減らすことにもつながり、カラダ作りにおいてとても重要なのです。

2 メンタルトレーニング

自分の気に入った言葉、歌詞が入った音楽を聴きます。僕は毎晩寝る前にゴスペルを聴きます。なかでもジョン・ピーキーのゴスペルは、歌詞に込められたメッセージに勇気づけられます。彼の「スタンド」や「ニューライフ」は、落ち込んだ時に気持ちを前向きにしてくれるお気に入りの曲です。

また、最近読んで僕の人生に影響を与えてくれた本は「Three Magic Words」です。メンタル力向上に非常に役立つ1冊です。メンタル強化のためには、本は必ず読んだ方が良いと思います。僕は本を読む時はいつも時間をかけてゆっくりと読み、1ページを3回くらい繰り返して読んだりして、深く理解し、自分の考えや習慣、言葉に採り入れていくんです。

3 1日の過ごし方

朝はいつも必ず7時頃に起きます。前の日に遅く帰っても、できるだけ早起きをするようにします。起きたらまず1日を始められる健康な心とカラダに感謝をして、アメリカの家族にメッセージを送ったりしたら、朝食を食べて練習やジムへ向かいます。朝練習がある時は、必ず練習より1時間くらい早めに到着してシャワーを浴び、ストレッチをして、音楽を聴きながらウォームアップをします。練習やミーティングをこなし、ランチを食べて帰宅すると、午後はテレビを観たり、本を読んだりしながらゆっくりと過ごします。焦ると精神的なストレスとなるので、どんなことも早めにゆとりを持って行動するようにしています。

14歳からの同郷の幼馴染、ジョー・マシス選手(右)と。 PHOTO: NINA OIKI

4 食生活

新年の僕の目標は「EAT BETTER」(食生活の改善)です。僕は本当に何でも食べます! マクドナルドやファストフードも大好きで、毎日でも飽きずに食べてしまいますが、今年は意識して魚や野菜、果物やナッツも食べるようにしていきたいです。そして僕はプロテインパウダーを全く摂りません。プロテインパウダーからではなく、タンパク質の多い食べ物を積極的に摂るだけで充分と考えているからです。

食べ物はカラダ作りに非常に大切です。数年前から牛乳を完全にやめ、代わりにアーモンドミルクを飲むことにして、朝のスムージーに採りいれたりしています。バランスの良い食べ物を食べた日は、精神的にもヘルシーになり、内臓の調子が良いと身体的にも精神的にも良いコンデションになるので、活力がわきます。一番違いを感じる時は、筋トレ後です。トレーニング後の痛みが和らぎ、変化を実感します。リカバリーも早くなりますよ。

5 ヘルシーなカラダ作りへのアドバイス

一番大切なことは、トレーニングが好きになれるかどうかだと思います。トレーニングを楽しいと感じる、自分に合ったトレーニング方法を探すことが一番大切です。自分に合った方法は必ずあります。これが一番の鍵です。例えばワークアウトで基礎的なスクワットをただただ繰り返すだけでは、つまらなく感じてしまうかもしれません。僕の場合はどんなトレーニングでも、楽しいと感じられる方法を自分なりに見つけて、トレーニングが楽しみになるようにしています。そうするとトレーニング自体もスムーズに進み、もちろん効果も出やすくなります。

Profile

1995年6月25日、アメリカ生まれ。6歳からアメフトを始め、高校時代はアメフトに加えて、陸上部にも所属、100m走を10.6秒で走った記録を持つ。進学したアリゾナ大学では1年次から活躍、2017年の卒業時には、NFLのデトロイト・ライオンズ、アリゾナ・カージナルズに招かれたが、不運にも練習中に肩を痛める。治療中に富士通フロンティアーズから誘いを受け、2019年7月に来日するとすぐにその溢れる才能でチームに貢献。2019シーズンにはXリーグのタイトルを総なめにした。趣味は音楽鑑賞と筋トレ。

飛び込んでくる相手選手を高く飛び越えるジャンピング走法は、観客を驚かせた。PHOTO: ©FUJITSU SPORTS/NANO ASSOCIATION